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amigahinaの世界放浪記録

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カイロの今

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今世界から注目されている場所のひとつ、カイロに到着。
早朝着いたバスターミナル、街は朝靄と排気ガスにまみれて霞んで見えた。行き交う車はとても古く、大量の煙を吐き出している。カイロでは昔から有名なサファリホテルとかスルタンホテルとかいう安宿が入っているビルがあって、そのことは知っていた。そしてそのビルに一番綺麗な日本人がやってる宿があると知り、そこへチェックインした。確かにビル自体はもの凄く汚いのだが、この中だけ別世界。近藤さんというエジプト系日本人の方が経営されている。日本で長年旅行関係のお仕事をされていただけあって、旅人の気持ちを良くわかっていらっしゃるので、なんの不便もない滞在だった。

かなり年代物の建物。安宿と縫製作業をしている部屋。反物の生地が転がってて埃っぽい。

ダウンタウンの様子。朝からパンがどんどん焼かれ、このようにあちこちに運ばれる。


カイロは一大観光地のはずだが、やはりこの状況下では観光客は見かけない。この宿もいつもは満室、予約でいっぱいとのことだったが、今は少なめだという。同ビルのサファリホテル、スルタンホテルもいつもはバックパッカーで賑わっているそうだが、今は誰ひとり泊まっていなかった。それもそのはず、外務省の海外安全ホームページではエジプト全域に「渡航の是非を検討してください」シナイ半島には「渡航の延期をお勧めします」が発せられており、日本ーカイロ間の飛行機はストップしているのだそうだ。

昼頃、宿から歩いてタハリール広場へそっと近付いてみた。近藤さんによると、2日前に広場の道路の通行止めが解除されたそうで、今はテレビでみたような騒動は起こっていない。ただ、革命派のテントは未だ残っており、若者がテントの周りで話し込む姿を見かけた。あちこちに横断幕が掲げられ、選挙のポスターが貼られるなか、デモで警察に殺された若者の写真なども展示されており、やはり異様な空気感は否めなかった。


そしてこの広場からみる光景で一番衝撃的だったのが、これ。

ピンク色の建物は考古学博物館で、あのツタンカーメンの黄金のマスクが保管展示されている場所。ミイラやそれにまつわる数々の装飾品が保管される、エジプトきっての宝箱のような場所だ。

その横に建つ大きな黒く焦げた建物。これが革命の時に燃やされた政府のビルだそうだ。素人目でみてもひやひやする程、すぐ隣に建っている。お宝が燃えなくて良かった。


さて、エジプトと言えばピラミッド。ここに来るまで全く知識が無かったのだが、ピラミッドは数々のエリアに点在している。有名なクフ王のピラミッドやスフィンクスはギザというカイロから車で40分くらいのところにあり、それ以外はもっと時間がかかる。今回は欲張ってピラミッドを見ることに重点を置いて、タクシーチャーターに決定。同宿に宿泊していた一人旅のKくんも同乗していざ!

まずは一番遠いダハシュールへ。ここで有名なのがエジプトのピラミッドで3番目に高い赤のピラミッドと、屈折ピラミッドだ。この日は生憎空が曇っている。綺麗に写真におさめたいのになぁ、なんて思っていたら目の前に 突然ぼんやりと浮かび上がったシルエット!逆に大興奮のピラミッド初対面だ。

屈折ピラミッドはその名の通り。この様な形になったのは、勾配が急すぎたためとか、完成を急いだためなどと言われており、下からみると確かに上が見えない程の勾配だ。


その後もピラミッド尽くしで、最後に訪れたギザ。観光客は少なく、ラクダ引や物売りからすると私たちは大きなカモ!タクシーの運転手からも、「とにかく何を言われてもNO!と言え」と念を押され、ゲートの中に入って行った。確かに偽ガイドやラクダ引きは一斉にこちらにやってきたが、もう観光客の少なさにも慣れたよう。私たちにとっては人の少ないギザを満喫できたけど、彼らも大変だなぁ、なんて同情してみたり。それにしても目の前にした三大ピラミッドとスフィンクスはまるで絵をみているようだ。子供の頃からいろんな場面で見続けてきたこの風景。あまりに有名な場所過ぎて、自分がいまここにいることを疑いそうになる。


カイロはピラミッド見学の他に、イスラム地区やオールドカイロ、それに巨大なショッピングセンターに行ったりと、忙しく過ごした。中でもショッピングセンターが一番印象に残っている。カイロのダウンタウンは物価も格安、街は古いヨーロッパのような建物が排気ガスにまみれており、女性は殆どスカーフを身に付けている。アジアで言うとインド、みたいな感じだろうか。とにかく日本とは別世界で、旅する刺激とエネルギーに満ちているのだが、その裏側の今、がショッピングセンターにあった。

日本でもそうそう見かけない巨大な施設。そこにはZARA、H&M などのファストファッション、スターバックス始め、ヨーロッパでよく見かけたコーヒーチェーンなどが出店し、平日だというのに人で溢れかえっていた。そして人々の目はキラキラしていたし、女性のノースカーフ率がぐっと上がった。カップル二人だけで腕を組む姿も多かったし、(エジプトでは婚前デートはどちらかの兄弟同伴がまだまだお決まりなのだそう)、エジプトの未来の明るさがすぐそこに見えたのも事実。でも、なんかちょっと寂しい感じがした。イスラムの国の素晴らしく美しい文化と、それを取り入れた生活スタイルと、どことなく奥ゆかしい雰囲気のムスリムの女性の魅力にだんだん惹かれていたから、このままファッショナブルに西洋ナイズされていってしまうのだろうか。という気持ちがそうさせていたのだ。とても感覚的なものなのだけれど。。

このショッピングセンターに来て、自分の日本での消費行動も少し見直さなくてはならない、そう考えていた。
エジプトでも広がる格差社会の中で、本当の平和って、なんなのだろうか。そんなことを考えて終わったカイロの滞在は短いながらもずっしりとしたものになった。

Written by amigahina

2011年12月27日 at 03:42

カテゴリー: Cairo, Egypt

エジプト入国〜シナイ半島

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ヨルダンの最南端、アカバという街から紅海を渡ってエジプトのヌエバへ入る。このフェリーがまたバックパッカーの間では災難な話題を振り撒いており、恐る恐るの入国劇だった。

まず、朝9時頃ヨルダン、アカバのバスターミナルに着くと、シャトルバスの運転手が、フェリーのチケットを買うのに手間取ってる旅行者が多いから、チケット売り場まで案内してくれるという。どんなものかとバスターミナル脇にある小さなオフィスに赴くと、今日の船は夜中の12時発だと言う。私たちの下調べでは昼過ぎの2時にあるはずだったから、その旨伝えると、シーズンオフで人が少ないから欠航だよ、と。

そりゃ仕方がない、と渋々チケットを購入した。チケットには私たちの名前が印字されたものの、出発時刻が記載されていない。どうやら期限のあるオープンチケットのようだ。

まだ時刻は昼前、夜中の出発まで時間があるから海に面した美しい街を満喫するため安宿にチェックインした。街は地元の人々の憩いの場になっているビーチと、活気のあるスーク、それにパレスチナ難民キャンプがあるようで、大きなパレスチナ国旗が海風にはためいていた。
とは言え小さい街なので、美しい夕日を見送った後、出国審査もあるため、早めに港へ入った。21時か22時になる前だったか。港で出国税を支払い、出国手続きをする。船が出るまで外の待機所で待っていろとのこと。確かにたまにアラビア語で出航の案内のようなアナウンスが流れるのだが、英語での案内は勿論ない。待機しているヨルダン人やエジプト人はすっかりサッカー中継に夢中だ。

やはり少し不安になって、もう一度出国手続きした窓口に確認しに行った。
誰もいないのでその奥にあるフェリー会社の窓口にいた人に確認した。

「エジプト、ヌエバ行のフェリー、もう乗船できる?」
「は?次は5時だよ、朝の5時!」

   は?はこっちのセリフである。

「いやいやいや、今日の12時に乗る予定なんだけど!もうだいぶ待ってるんだけどね、なんの事!?」
「12月からスケジュール変わったから!12時には出ないよ、まだ船来てないし!」

   ちょっとキレる。

「もしや、今日の昼間に船出てないでしょうね!?」
「出たよ、2時に。」

   もうちょっとキレる。

「おいおいおい、チケット買った時にさー、今日の昼は欠航だから12時の船に乗れって言われたんだよね!
 出てんのかい!責任者呼べぃ!」

「俺がここのマネージャーだ。」

「だったら話は早いわ!どー責任取ってくれんのさ!」

「チケット売ったやつのことは知らないよ、ここが正規のオフィスだ。」

「わけわかんないとこにチケット販売代理してんじゃないよ。
 どんだけのツーリストがここで大変な思いしてると思ってるんだよ!」

「だってエジプトから船来ないんだからしょうがない!はいはい、改善に努めます、ハハハー」

という超、腹立たしい会話も虚しく、仰るとおり、船がないので朝まで待つこと決定。
とは言え朝5時か。。こんなこともあると予想して、宿のレセプションでは港に電話してもらって、出航時間を確認してもらっていた。(勿論その時も12時だという答え) さらに、
「もし船に乗れなかったら帰ってくるかもしれないから、そのときはよろしく。」と伝えていたのだ。


「あー、ムカつくわ。もう一度ホテルに帰って寝る!!」

吐き捨てるように自称マネージャーに言い放った。

「無理だね、君はもう出国スタンプを押している!」

   ………


寒い寒い港のターミナルで夜を明かすこと決定。寝袋に包まりながらも、5時とか言っといて、もしかして3時とかに出るとか言い出すんじゃ、、等々よからぬ思いが頭を駆け巡り、熟睡できるはずもなく、無事(なのか!?)船は朝5時に出航した。

濃ゆーいアラブのおじさんたちに囲まれた船の中。エジプト人はまたどことなく違う雰囲気を持っていた。
長い時間待たされて港を降りると、「え、ココで!?」という掘っ建て小屋のような窓口で無事にビザをゲットし、港を出た。
ゲートを出るとそこには戦車とそこから銃を構えた兵士、戦車の周りにも沢山の兵士が居るなか、タクシーの呼び込みが現れた。

こんな場所で入国手続き。

やっぱり国境はいつも物々しい。


ツーリストは私たちだけだった。タクシーに乗って紅海のリゾート、ダハブへ向かう。

ダハブまでの道のりは乾いた、ゴツゴツした岩山に囲まれて、今までに見たことない光景だった。
あぁ、いよいよアフリカ大陸に入ったのだ。

ダハブではダイビングにチャレンジしてみたものの、やっぱり私には怖かった。ヨッチがアドバンスライセンスを取り終えるまで、私は毎日まるでタイのリゾートみたいなビーチレストランでシーシャとチャイでゆっくり紅海を眺めたり、モーゼが神から十戒を授かったというシナイ山へ登山へ行ったりと、それぞれに久々にゆっくりと満喫した1週間を過ごした。

シナイ山の麓にあるサンタカタリーナ修道院。キリスト教正教会の世界最古の修道院であり、世界遺産登録されている。こんなに山の奥地なのに、多くの観光客が訪れていた。

修道院脇の登山道入口。この登山はご来光を見るために夜中出発するのが一般的だが、私は山道を楽しみたいので、昼間に出発するツアーに参加。日本にあるような山ではなく、岩山を登る登山は初めてだったので、感動的だった。

3時間ほど岩山を登ると頂上付近で売店が!

おっ!しかも “スターバックス@シナイ” !!

頂上はこの景色!モーセ、聞いたことあるくらいで興味なかったけれど、いろいろ調べてみるうちに歴史の重みを感じずにはいられない場所であることがわかり、この場所にいることに感動!いろんな思いを胸に、厳しい山道を、足をプルプルさせながら下山した。

シナイ半島では数多くの歴史と自然と触れ合うことができ大満足。
そしていよいよ、古代エジプトの歴史に触れにカイロへ!

正直、毎日が歴史のお勉強だ。
現場の地を踏みしめて学ぶ歴史がこんなにも面白いとは!
どんどん進む旅は、歴史の変化を肌で感じながら、なかなか濃い旅になってきたな。

Written by amigahina

2011年12月23日 at 22:08

カテゴリー: Dahab, Egypt